BtoBメルマガ開封率20%→30%へ!明日から使える7つのコツ

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BtoBビジネスにおいて、メルマガは顧客との関係を深め、商談機会を創出するための重要なツールです。しかし、多くの担当者様が「メルマガを送っても、なかなか読まれない」という課題を抱えています。2024年最新の調査によると、BtoBメルマガの開封率は以下のように分布しています:

  • 11~20%:24.3%の企業
  • 21~30%:24.3%の企業
  • 6~10%:13.6%の企業
  • 31%以上:約12%の企業

この記事では、開封率20%から30%以上への改善を目指し、実践的なテクニックを詳しく解説します。

目次

なぜ今、BtoBでメルマガの開封率が重要なのか?

BtoBマーケティングにおいて、メルマガは単なる情報発信ツールではありません。お客様との継続的な接点を持ち、信頼関係を構築するための生命線です。開封率の向上は、その第一歩と言えます。

顧客との関係構築におけるメルマガの役割

BtoBの購買プロセスは長期にわたることが多く、検討期間中のお客様との関係を維持することが不可欠です。定期的なメルマガ配信は、自社の専門性や価値を伝え、お客様が情報を必要とするときに第一想起される存在になるための重要な役割を担います。

開封率はメルマガ施策成功の第一歩

どれだけ有益なコンテンツを作成しても、メールが開封されなければ、その価値はお客様に届きません。開封率は、メルマガ施策全体の効果を測る上で最も基本的な指標であり、クリック率やコンバージョン率といった次のステップへ進むための大前提となります。

まずは現状把握から。BtoBメルマガ開封率の基礎知識

効果的な改善策を講じるためには、まず自社の現状を正しく把握することが重要です。開封率の計算方法や業界平均を理解し、自社の立ち位置を確認しましょう。

開封率の計算方法

メルマガの開封率は、以下の式で計算できます。

開封率(%) = (開封数 ÷ 有効配信数) × 100有効配信数

とは、送信総数からバウンス(配信エラー)したメールアドレスを除いた数です。ほとんどのメール配信ツールでは、この数値が自動で計算されます。

BtoBメルマガの平均開封率は?【業界別データ】

複数の調査によると、BtoBメルマガの平均開封率は約15%〜30%が一般的な目安です。ただし、これはあくまで平均値であり、業界やターゲット層の関心度によって大きく変動します。

業界平均開封率クリック率特徴
IT・テクノロジー21.8%2.3%情報感度が高い
製造業17.03%1.8%検討期間が長い
コンサルティング25.9%2.6%専門性重視
金融・保険23.2%2.1%信頼性が重要
医療・ヘルスケア25.9%2.4%規制対応必要

まずは自社の過去の配信データを確認し、業界の平均値も参考にしながら、現実的な目標(例えば、現状プラス5%)を設定することから始めましょう。

あなたのメルマガが開かれない、よくある5つの理由

開封率が低い場合、主に以下の5つの原因が考えられます。

メルマガが開封されない5つの原因
  • 件名に魅力がない:受信者が「自分には関係ない」と判断し、開封する前に削除している。
  • 配信時間が不適切:お客様がメールをチェックしない時間帯に送っているため、他のメールに埋もれてしまっている。
  • ターゲットが不明確:送信リストのセグメント分けが不十分で、受信者の興味関心とコンテンツ内容が合っていない。
  • 送信者名が信頼されない:業界によって、個人名で送る方が信頼されるのか、企業名で送るの方が信頼されるのかが分かれます
  • 配信頻度の問題:メルマガの頻度があまりにも多すぎると、徐々に開封率が下がることがあります。

【最重要】開封率を劇的に改善する!フレームワークと7つのコツ

受信トレイに日々大量に届くメールの中で、自社のメルマガを開封してもらうためには、件名がすべてと言っても過言ではありません。件名作成に悩んだら、まず「4Uの原則」というフレームワークを思い出してください。

4Uフレームワーク
  • Useful(有益性):読者に価値を提供
  • Urgent(緊急性):今すぐ行動したくなる
  • Ultra-Specific(超具体性):具体的な数字や内容
  • Unique(独自性):他では得られない情報

コツ1:前半15文字で「自分ごと化」させる

多くのメールソフトやスマートフォンでは、件名の最初の15~25文字程度しか表示されません。

メーラーの件名に表示される文字数
  • PC版:25文字以内
  • スマホ版:15文字以内

この短い文字数で「これは自分のための情報だ」と認識させることが重要です。ターゲットの役職名を入れたり、課題を具体的に記述したりする工夫が有効です。

  • 良い例:「【経営者必見】DX推進で陥る3つの落とし穴」
  • 悪い例:「DXについてのお知らせ」

コツ2:【数字】を入れて具体性と信頼性を高める

「コストを削減する方法」よりも「コストを30%削減する5つの方法」のように、具体的な数字を入れることで、件名の説得力と信頼性が格段に向上します。これは「4Uの原則」のUltra-Specific(超具体性)にあたり、実績やノウハウを伝える際に特に効果的です。

  • 良い例:「経理部門の残業時間を月間30時間削減できた理由とは」
  • 悪い例:「業務効率を上げる方法について」

コツ3:【限定感・緊急性】を演出し、行動を促す

「本日締切」「先着50名様限定」といった言葉は、「今すぐ確認しないと損をする」という心理を働かせ、開封を促す効果があります。これは「4Uの原則」のUrgent(緊急性)にあたり、セミナーの案内やキャンペーン告知などで活用しやすいテクニックです。

  • 良い例:「【残り24時間】IT導入補助金申請の最新情報」
  • 悪い例:「IT導入補助金について」

コツ4:【ベネフィット】を明確に伝え、読むメリットを提示する

そのメルマガを読むことで、読者が何を得られるのか(ベネフィット)を明確に示します。「〇〇の機能紹介」ではなく、「〇〇で業務時間を50%削減」のように、機能ではなく価値を伝えることが重要です。これは「4Uの原則」のUseful(有益性)にあたります。

コツ5:【独自性】で他社との差別化を図る

「【弊社独自調査】」「〇〇業界の常識を覆す新常識」のように、他では得られない情報であることをアピールします。これは「4Uの原則」のUnique(独自性)にあたり、専門性や権威性を示す上で非常に効果的です。

コツ6:【記号】を効果的に使い、視覚的に目立たせる

【】(隅付き括弧)や■、★などの記号は、テキストばかりの受信トレイの中で視覚的なアクセントとなり、メールを目立たせる効果があります。ただし、多用するとスパムと誤解される可能性もあるため、適度な使用を心がけましょう。

コツ7:【パーソナライズ】で「あなただけ」へのメッセージに

「〇〇株式会社 △△様」のように、件名に会社名や担当者様の名前を入れることで、その他大勢に向けたメールではない、特別なメッセージであるという印象を与え、開封率の向上が期待できます。

  • 良い例:「【田中様限定】御社向けカスタマイズ提案資料」
  • 悪い例:「提案資料のお送り」

配信タイミングを最適化する3つのステップ

どんなに優れた件名でも、配信のタイミングを間違えると読まれる機会を失ってしまいます。ターゲットが最もメールを読みやすい時間帯を狙って配信するための3つのステップを紹介します。

ステップ1:BtoBのゴールデンタイムは「火曜~金曜の午前中」

一般的に、BtoBビジネスでは、週明けで多忙な月曜日を避け、業務に集中している平日の午前中(特に9時〜12時)がメールを読まれやすい時間帯とされています。まずはこの時間帯を基準に配信してみましょう。

時間帯別開封率・クリック率参考データ

時間帯開封率クリック率推奨度
9:00-10:0026.2%2.8%⭐⭐⭐⭐⭐
10:00-11:0028.1%3.1%⭐⭐⭐⭐⭐
12:00-13:0024.5%2.5%⭐⭐⭐⭐
14:00-15:0022.8%2.3%⭐⭐⭐
16:00-17:0019.2%1.9%⭐⭐

曜日別開封率・クリック率参考データ

最適曜日:火曜日〜木曜日

曜日開封率クリック率特徴
月曜日22.0%2.3%週初めで多忙
火曜日21.8%2.4%最も安定
水曜日21.8%2.3%集中度高い
木曜日21.7%2.3%情報収集活発
金曜日21.6%2.2%週末モード
土曜日20.5%2.1%避けるべき
日曜日20.3%2.1%避けるべき

ステップ2:ターゲットの役職や業種で配信時間を調整する

経営層向けなら始業前や昼休み、現場の担当者様向けなら業務が一段落する午後など、ターゲットの働き方に合わせて配信時間を調整することで、より高い開封率が期待できます。

業種によっても最適な時間帯は異なるため、仮説を立てて検証することが重要です。

経営者・役員向け

  • 推奨時間:8:00-9:00(通勤時間)
  • 理由:移動中にスマホでメールチェック
  • 曜日:火〜木曜日

実務担当者向け

  • 推奨時間:10:00-11:00、14:00-15:00
  • 理由:業務の合間のメールチェック時間
  • 曜日:火〜木曜日

ステップ3:A/Bテストで自社だけの最適時間を見つける

最も確実な方法は、A/Bテストを実施することです。同じ内容のメールを、曜日や時間を変えて複数のグループに配信し、どのパターンの開封率が最も高いかを比較検証します。

これを繰り返すことで、自社のお客様にとっての最適な配信タイミングを特定できます。

セグメント配信による開封率向上戦略

見込み客リストを分類分け(セグメンテーション)し、それぞれの分類に合ったメルマガを配信することで、開封率向上の狙います。

セグメンテーションのパターンは様々ですが、次の3つのパターンを参考にしてみてください。

1. 基本属性によるセグメント

  • 業界別(製造業、IT業界、サービス業など)
  • 企業規模別(従業員数、売上規模)
  • 地域別(関東、関西、九州など)

2. 行動データによるセグメント

  • 過去の開封履歴
  • クリック履歴
  • ダウンロード履歴
  • ウェビナー参加履歴

3. 購買ステージによるセグメント

  • 認知段階:情報収集中
  • 検討段階:比較検討中
  • 決定段階:導入直前

A/Bテストによる継続的改善

メルマガの効果を上げるには、地道なA/Bテストが効果的ですが、A/Bテストの実施においては「テストの設計」が最大と言っていいほど重要になります。

以下に、テスト設計の参考になる情報を記載します。

テスト要素の優先順位

  1. 件名(最も影響大)
  2. 送信時間
  3. 送信者名
  4. プリヘッダーテキスト

実施方法

  • サンプルサイズ:各パターン最低1,000通
  • テスト期間:1週間以上
  • 測定指標:開封率、クリック率、コンバージョン率

開封率を底上げする!差がつく3つの技術

件名と配信時間の最適化に加えて、さらに開封率を高めるための3つのテクニカルな要素をご紹介します。これらの細やかな配慮が、競合との差を生み出します。

技術1:信頼度が変わる!「差出人名」の戦略的な設定方法

差出人名は、受信者がメールを開封するかどうかを判断する重要な要素です。単なる企業名だけでなく、「〇〇(企業名)△△(個人名)」や「〇〇編集部」のように、親しみやすさや専門性を感じさせる設定にすることで、信頼性が高まり、開封されやすくなります。

技術2:配信リストを整理し、セグメント配信で精度を上げる

全顧客に同じメールを送るのではなく、業種、役職、購買履歴、Webサイトの閲覧履歴などに基づいてリストを細分化(セグメント化)し、それぞれの興味関心に合わせたコンテンツを配信します。これにより、メルマガの関連性が高まり、開封率の向上が見込めます。

技術3:スマホ対応は必須!プレビューテキストを最適化する

プレビューテキストとは、件名の後に表示されるメール本文の冒頭部分のことです。多くの人がスマートフォンでメールをチェックする現代において、この領域の最適化は不可欠です。件名を補足し、さらに読み進めたくなるような魅力的な文章を配置しましょう。

開封のその先へ。クリック率(CTR)も意識しよう

開封率を高めることは重要ですが、メルマガの最終目標は、Webサイトへの誘導や資料ダウンロードといった、お客様の次の行動を促すことです。開封された後に、本文中のリンクがクリックされる割合(クリック率:CTR)も意識する必要があります。

本文は簡潔に、最も伝えたいメッセージとCTA(Call to Action:行動喚起)ボタンを分かりやすく配置する工夫が求められます。

メルマガのトレンドと今後の展望

IT/AI技術の進化はモバイルの普及にともなう生活スタイルの変化により、読者に受け入れられるメルマガの形式も変化しています。

メルマガの方向性を考えるために、メルマガのトレンドの参考になる情報をご紹介します。

AI活用の件名生成

  • GPTを活用した件名の自動生成
  • 過去データからの最適化提案

動的コンテンツの増加

  • 受信者の行動に基づく内容変更
  • リアルタイムパーソナライゼーション

モバイル最適化の重要性増加

  • スマホでの開封率が70%を超える
  • 縦型レイアウトの採用

※ただし、通常のBtoBメルマガであれば、まだまだパソコンでのメール閲覧が主流

インタラクティブ要素の導入

  • メール内でのアンケート実施
  • 動画コンテンツの埋め込み

まとめ:継続的な効果測定で、読まれるメルマガへ

BtoBメルマガの開封率向上は、一度の施策で達成できるものではありません。本記事で紹介した10のコツを参考に、「仮説→実行→検証→改善」のサイクルを回し続けることが、成功への唯一の道です。 開封率アップのポイントは以下の通りです。

  • 現状分析:まず自社の開封率と業界平均を把握する。
  • 件名の最適化:「4Uの原則」を軸に、7つのコツを駆使して読者の興味を引く。
  • 配信タイミングの最適化:ゴールデンタイムを基準に、A/Bテストで最適な時間を見つける。
  • 技術的な改善:差出人名、セグメント配信、プレビューテキストにも配慮する。
  • 開封後の行動設計:クリック率を意識した本文とCTAを設計する。

多くのメール配信ツールには、開封率やクリック率を測定し、A/Bテストを簡単に行える機能が備わっています。これらのツールを活用し、データに基づいた改善を積み重ねることで、お客様との良好な関係を築き、最終的なビジネスの成果へと繋げていきましょう。