失敗しないサービス紹介動画の作り方|制作の流れから構成・ツール・費用まで

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テキストや画像だけでは伝わりにくいサービスの価値を、短時間で直感的に伝えられる「サービス紹介動画」。今や多くの企業がマーケティングに取り入れていますが、いざ自社で制作するとなると、具体的な進め方や成功のポイントが分からず、足踏みしてしまうケースも少なくありません。

「自社のサービスの魅力を伝えたいけど、どうすれば効果的に伝わるだろう?」
「サービス紹介動画を作りたいけど、何から手をつければいいかわからない…」
「制作にかかる費用は?」

このような疑問や悩みにぶつかることは珍しくありません。

そこでこの記事では、数々の動画制作を手がけてきたプロの視点から、サービス紹介動画の作り方を6つのステップで徹底解説します。

その他のBtoBマーケティング施策についてはこちらの記事をご覧ください。

目次

そもそもサービス紹介動画とは?まず知っておきたい3つのメリット

サービス紹介動画とは、その名の通り、自社の製品やサービスの内容、特徴、利用するメリットなどを分かりやすく紹介するための動画です。まずは、動画を活用することで得られる具体的なメリットを3つご紹介します。

メリット1:短時間で多くの情報を直感的に伝えられる

動画は、テキストや静止画に比べて圧倒的に情報量が多いメディアです。映像、音声、テロップなどを組み合わせることで、複雑な情報でも短時間で視聴者に直感的に理解してもらうことが可能です。例えば、1分間の動画にはWebページ3,600ページ分の情報量があるとも言われています。

メリット2:無形のサービスや複雑な内容も分かりやすく可視化できる

SaaSのような無形のサービスや、専門的で複雑な仕組みを持つ製品は、その価値をテキストだけで説明するのが難しい場合があります。動画であれば、アニメーションやCGを使って仕組みを可視化したり、利用シーンを具体的に見せたりすることで、視聴者はサービスの利便性や導入後のイメージを具体的に掴むことができます。

メリット3:営業、Webサイト、広告など多用途に活用でき、費用対効果が高い

一度制作した動画は、様々な場面で活用できる強力なマーケティングツールになります。WebサイトやLPへの掲載はもちろん、商談時の営業ツール、展示会でのサイネージ、YouTubeやSNSでの動画広告など、多岐にわたるチャネルで展開可能です。一つの動画を多角的に活用することで、長期的に見て高い費用対効果が期待できます。

【初心者でも簡単】サービス紹介動画の作り方6ステップ

それでは、実際にサービス紹介動画を制作するための具体的な手順を6つのステップで解説します。

STEP1:目的とターゲットを明確にする(誰に、何を伝え、どうなってほしいか?)

制作を始める前に、最も重要なのが「目的」と「ターゲット」の設定です。

  • 誰に(ターゲット): どんな課題やニーズを持つ人に見てもらいたいか?(例:中小企業の経営者、子育て中の30代女性)
  • 何を伝え(メッセージ): サービスの最も伝えたい魅力は何か?(例:圧倒的なコストパフォーマンス、専門知識がなくても使える手軽さ)
  • どうなってほしいか(ゴール): 動画を見た後に、どんな行動をとってほしいか?(例:無料トライアルに申し込む、資料請求をする、商品を購入する)

ここが曖昧だと、誰にも響かないぼんやりとした動画になってしまいます。

STEP2:動画の構成・シナリオを作成する【テンプレート付】

目的とターゲットが決まったら、動画の設計図となる構成・シナリオを作成します。以下のテンプレートを参考に、伝えたい要素を組み立ててみましょう。

基本の構成テンプレート

  1. 導入(〜15秒): 視聴者の課題や悩みに共感し、「これは自分に関係あるかも」と思わせる。(例:「毎月の請求書作成、手作業で時間がかかっていませんか?」)
  2. 問題提起(〜30秒): 課題を放置することのリスクや、現状の不便さを具体的に示す。(例:「その作業、実は毎月〇〇時間も損しているんです」)
  3. 解決策の提示(〜60秒): 課題を解決する手段として、自社のサービスを紹介する。(例:「そんなあなたに、〇〇(サービス名)!」)
  4. 具体的な機能・ベネフィット紹介(〜90秒): サービスがどのように課題を解決するのか、具体的な機能や導入メリットを分かりやすく見せる。(例:デモ画面、利用者の声、アニメーションでの解説)
  5. 信頼性の担保(〜105秒): 実績やお客様の声、第三者からの評価などを提示し、安心感を与える。(例:「導入企業1,000社突破!」「お客様満足度95%」)
  6. 行動喚起(CTA)(〜120秒): 視聴者にとってほしい行動を具体的に促す。(例:「まずは30日間の無料トライアルから。詳しくは概要欄をチェック!」)

STEP3:絵コンテを作成し、動画のイメージを具体化する

シナリオができたら、それを基に絵コンテを作成します。絵コンテとは、映像の設計図です。カットごとに、どのような映像(イラストや写真)、テロップ、ナレーション、BGMを入れるかを書き出します。完璧な絵でなくても構いません。映像のイメージを関係者間で共有し、手戻りを防ぐことが目的です。

STEP4:撮影・素材を準備する(実写、アニメーション、イラストなど)

絵コンテに沿って、動画に必要な素材を準備します。

  • 実写の場合: 撮影場所、機材、演者などを手配し、撮影を行います。
  • アニメーションの場合: イラストレーターやアニメーターに依頼し、キャラクターやイラスト、動きを作成してもらいます。
  • その他: BGMや効果音、ナレーション音声なども準備します。

STEP5:動画編集を行う(BGM、テロップ、ナレーション)

準備した素材を、動画編集ソフトを使って繋ぎ合わせていきます。カット編集、テロップの挿入、BGM・効果音の追加、ナレーションの録音と挿入などを行い、一本の動画として完成させます。視聴者が飽きないよう、テンポの良い編集を心がけましょう。

STEP6:公開し、効果を分析・改善する

完成した動画を、YouTubeや自社サイト、SNSなどで公開します。公開して終わりではなく、視聴回数、維持率、クリック率などのデータを分析し、改善を繰り返すことが重要です。どの部分で離脱が多いかなどを分析し、次の動画制作に活かしましょう。

効果を最大化する!サービス紹介動画制作の5つのコツ

せっかく作るなら、最大限の効果を出したいもの。ここでは、動画のクオリティを一段階上げるための5つのコツをご紹介します。

コツ1:冒頭の3秒で心を掴む「フック」を用意する

多くの視聴者は、最初の数秒で動画を見続けるかどうかを判断します。ターゲットが思わず「何だろう?」と気になるような質問を投げかけたり、インパクトのある映像を見せたりして、心を掴みましょう。

コツ2:メッセージは1つに絞り、シンプルに伝える

多くの魅力を伝えたい気持ちは分かりますが、情報が多すぎるとかえって何も伝わりません。この動画で最も伝えたいメッセージを1つに絞り、それを軸に構成を組み立てましょう。

コツ3:視聴者が「自分ごと化」できるストーリーを描く

単なる機能の羅列ではなく、ターゲットと同じ悩みを持つ主人公が、サービスによって課題を解決し、理想の未来を手に入れる、というストーリーを描きましょう。視聴者は主人公に感情移入し、サービスを「自分ごと」として捉えやすくなります。

コツ4:CTA(Call To Action:行動喚起)を明確に設置する

動画の最後に「何をすべきか」を明確に示しましょう。「詳しくはこちら」「無料トライアル」「チャンネル登録」など、具体的な言葉で次のアクションへと導くことがコンバージョン率を高める鍵です。

コツ5:配信する媒体(YouTube, Webサイト, SNSなど)に最適化する

媒体によって、最適な動画の長さや表現方法は異なります。例えば、TikTokやInstagramリールなら短尺でテンポの良いものを、Webサイトに埋め込むならじっくり見せる長めのものを、といったように、配信先に合わせて動画を最適化しましょう。

Canvaで使える!サービス紹介動画に役立つ主な編集機能

「まずは手軽に動画を作ってみたい」という方には、デザインツール「Canva」がおすすめです。専門知識がなくても、直感的な操作でクオリティの高い動画を制作できます。ここでは、サービス紹介動画の作成に役立つCanvaの主な機能をご紹介します。

1. 豊富な動画テンプレート

ゼロから動画を作るのは大変ですが、Canvaにはプロがデザインした数千種類もの動画テンプレートが用意されています。「サービス紹介」「製品デモ」「広告」など、目的に合わせたテンプレートを選ぶだけで、デザインの骨格が完成します。

2. 膨大なストック素材(動画・写真・イラスト・音声)

自前で撮影した素材がなくても、Canvaが提供する膨大なストックライブラリを活用できます。高品質な動画素材や写真、アニメーションに使えるイラスト、動画の雰囲気を高めるBGMや効果音まで、すべてCanva内で完結して探すことが可能です。

3. 直感的な編集タイムライン

動画のカット、トリミング(長さ調整)、シーンの分割や並べ替えといった基本的な編集は、タイムライン上でドラッグ&ドロップするだけの簡単な操作で行えます。専門的な動画編集ソフトを使ったことがない方でも、スムーズに作業を進められます。

4. テキストとエフェクトの追加

動画内で重要なメッセージを伝えるためのテロップ(テキスト)も、好きなフォントや色、サイズで自由に追加できます。テキストに縁取りや影をつけたり、光らせたりするエフェクトもワンクリックで適用でき、視覚的に目立たせることが可能です。

5. アニメーション機能

静的なイラストやテキスト、写真に動きをつける「アニメーション機能」も強力です。素材を選択し、「フェードイン」「スライド」「ポップアップ」といった多彩な動きの中から選ぶだけで、プロが作ったような躍動感のある動画に仕上がります。

6. AIを活用したマジック機能

CanvaにはAIを活用した「Magic Studio」という機能群があります。例えば、動画の背景をワンクリックで削除する「背景リムーバー」や、不要なものを映像から消す「マジック消しゴム」など、これまで手間がかかっていた高度な編集作業をAIがサポートしてくれます。(一部は有料プランの機能です)

作って終わりじゃない!動画の活用方法と効果測定のポイント

動画は制作して終わりではありません。多岐にわたるチャネルで活用し、その効果を測定・改善していくことで、初めてその価値を最大化できます。

制作した動画の具体的な活用シーン

Webサイト・LPファーストビューなど最も目立つ場所に設置し、訪問者の離脱を防ぎ、サービス理解を促進します。
商談・営業商談の冒頭でお客様に見せることで、アイスブレイクになり、短時間でサービスの全体像を掴んでもらえます。
展示会・イベントブースのモニターで繰り返し再生することで、多くの来場者の足を止め、興味を引くきっかけになります。
メールマガジン動画のサムネイル画像を貼り付け、再生ページにリンクさせることで、メールのクリック率向上が期待できます。
SNSターゲット層に合わせて広告を配信したり、オーガニック投稿でフォロワーとのエンゲージメントを高めたりします。
プレスリリース・IR情報新サービス発表の際にメディア向けに配信したり、株主や投資家への説明資料として活用したりします。

動画の効果測定で見るべき主要な指標(KPI)

動画の効果は、目的や配信媒体に応じて適切な指標(KPI)で測定することが重要です。

Webサイト掲載の場合

  • 再生率: ページ訪問者のうち、どれくらいの人が動画を再生したか。
  • 視聴維持率: 動画がどこまで視聴されたか。視聴者がどこで離脱しているかを把握できます。
  • コンバージョン率(CVR): 動画を視聴したユーザーが、資料請求や問い合わせなどのゴールにどれだけ至ったか。

YouTubeの場合

  • 視聴回数・総再生時間: 動画がどれだけ見られているかの基本的な指標。
  • クリック率(CTR): 表示されたサムネイルが、どれだけクリックされたか。
  • 平均視聴時間: 視聴者が動画にどれだけ惹きつけられているかを示します。

広告配信の場合

  • 表示回数(インプレッション数): 広告が何回表示されたか。
  • 視聴完了率(VTR): 動画広告が最後まで視聴された割合。
  • クリック単価(CPC)・視聴単価(CPV): 1クリックまたは1視聴あたりにかかったコスト。

これらのデータを定期的に分析し、「なぜこの動画は視聴維持率が高いのか」「なぜ広告のクリック率が低いのか」といった仮説を立て、次の動画制作や配信戦略の改善に繋げていきましょう。

サービス紹介動画の費用相場と制作会社の選び方

最後に、多くの人が気になる費用や外注について解説します。

【料金表】動画制作の費用相場(内製 vs 制作会社)

制作方法費用相場特徴
内製(自社で制作)0円〜30万円Canva等のツールを使えば無料でも可能。編集ソフトや素材にこだわると費用が発生。クオリティの担保が課題。
制作会社(個人・フリーランス)10万円〜50万円比較的安価に依頼できるが、スキルや実績は個人差が大きい。ディレクション能力が求められる場合も。
制作会社(中小規模)30万円〜100万円企画から制作まで一貫して依頼可能。柔軟な対応が期待できることが多い。
制作会社(大手)100万円〜高品質で戦略的な動画制作が期待できる。タレントのキャスティングや大規模な撮影も可能だが、費用は高額になる。

Canvaなどのツールで内製するメリット・デメリット

メリット

なんといっても費用を抑えられる点です。テンプレートが豊富で、専門知識がなくてもある程度のクオリティの動画をスピーディーに制作できます。

デメリット

表現の自由度が低く、オリジナリティを出しにくい点です。また、戦略的な構成やプロ品質のクリエイティブを求める場合、専門知識がないと難しいでしょう。

メリット/デメリットはありますが、「とりあえずサービス紹介動画を作って効果があるか試してみる」というフェーズにおいては、Canva等の低価格ツールで十分です。

失敗しない!制作会社の選び方3つのチェックポイント

チェックポイント1:制作実績が自社のイメージと合っているか

その会社のWebサイトで過去の制作実績を確認しましょう。特に、自社と同じ業界や、似たようなテイストの動画制作実績があるかは重要な判断基準です。

チェックポイント2:企画・構成から提案してくれるか

単に言われた通りに作るだけでなく、目的やターゲットをヒアリングした上で、より効果的な動画にするための企画や構成を提案してくれる会社を選びましょう。マーケティング視点を持っているかが鍵です。

チェックポイント3:コミュニケーションは円滑か

担当者との相性も大切です。レスポンスの速さや対応の丁寧さなど、制作プロセスをスムーズに進められるパートナーかどうか、見積もり依頼や打ち合わせの段階で見極めましょう。

まとめ

本記事では、サービス紹介動画の作り方を、メリット、成功事例、具体的な6つのステップ、効果を最大化するコツ、費用相場まで網羅的に解説しました。

サービス紹介動画は、一度作れば様々なシーンで活用できる強力な資産となります。最も重要なのは、「誰に、何を伝え、どうなってほしいか」という目的を明確にすることです。

この記事を参考に、まずは最初の一歩として、あなたのサービスの魅力を伝えるためのシナリオ作りから始めてみてはいかがでしょうか。あなたのサービスが、動画を通じてより多くの人に届くことを心から応援しています。